月並

月並

「月並」の本来の意味は「月例」と同じで、毎月1回という意味でした。

しかし明治のころからその意味が少し変化し、新鮮味がないというような意味を持つようになってきました。

月並の本来の意味

古くから、毎月一回定例的に各種の行事や会を繰り返し行うことを、「月次」、「月例」、「月浪」、「月並」などといいます。

文学においても、月並の漢詩,月並の和歌,月並の連歌の会などが催されていました。

俳句の世界でも、毎月1回集まって句会を開くことを「月並俳句」と言っていました。

このように「月並」という言葉の本来の意味は毎月繰り返すという意味です。

月並の意味の変化

月並の歌会などは,本来毎月行われる修練の場であり勉強会であったのです。

ところが俳句の会の場合は,素人衆の高級なことば遊びのために提供される場となってきていました。

その「月並俳句」を取り仕切る師匠は、その場を収入源としていたようです。

明治になって、正岡子規がこれを痛烈に批判しました。

「月並俳句」で作られている俳句は、どこでも、決まりきった形のものばかりで新鮮味も無く感動も無い。

要するに「月並俳句」は面白くないと言い切ったのです。

この意見は多くの人の賛同を得るところとなりました。

このときから

「月並」は、「新鮮味が無く面白くない」という意味を持つようになっのです。