祭 祭礼 祭祀

祭 祭礼 祭祀

祭 、祭礼、 祭祀の違いは

結論から言いますと、祭祀と祭礼に厳密な区分はありません。

いずれも「祭」、「まつり」のことであり、その「まつり」は、超自然的存在への様式化された行為ということができます。

神への祈願、感謝、謝罪、崇敬、帰依、服従の意思を伝えるもので、定期的に行われるとは限りませんが、年中行事や通過儀礼と関連して定期的に行われることが多くみられます。

神道における祭祀は、神社神道の根幹をなすものです。

神社に鎮座する神霊、および神霊が宿る御神体に対し、儀礼をもって執り行われます。

これが神社神道における祭祀です。

神霊をその場に招き、神霊を饗応し、神霊を慰め、人間への加護を願うものです。

「まつり」は、日常生活のサイクルと深く結びつき、非日常性の空間・時間を象徴するものとなってきました。

社会的に見れば、共同体全体によって行われ、共同体統合の儀礼として機能してきました。

共同体が崩壊し、都市が出現すると、都市民の統合の儀礼としての機能を強め、宗教的意味は建前となり、山車の曳行や芸能の披露といった娯楽性が追求されるようになってきています。

ここに「まつり」を行う者と、「まつり」を鑑賞する者の分化が生じてきています。

大衆統合としての機能と娯楽性のさらなる追求の結果、元来の宗教的意味は、忘却され、あるいは機能を喪失し、世俗的な催事としての「まつり」も登場するようになっています。

例えば大相撲も本来は神道としての奉納の祭りであったのですが、宗教への関心の薄れなどから、賑やかな行事の方のみについて、イベントとして認識されてしまうこともあります。