天神

天神

天神というのは天空神

天神というのは道真の別称でもありますが、天を司る神、 天空神を意味しています。

天空神(てんくうしん)は、直接ないし間接的に宇宙を創造した天上の至高存在者として、世界中の神話に普遍的に見られる神格です。

天空神は宇宙の創造以外には積極的な役割をもたず、人間の生活と関わりを持つことも少ないとされているため、至高の存在として知られながらも、祀られることはあまりありませんでした。

菅原道真の死後、無念の生涯を終えた天才学者の祟りを畏れ、道真は天を満たす天満とか、天神、雷神などという神として祀られるようになりました。

それ以前の天神、すなわち天空神への信仰は極めて古い起源を持つと考えられます。

アニミズムやトーテミズムが宗教生活を支配している社会においても、やはり至高の天空神への信仰は存在しています。

オーストラリア原住民の宗教の特徴はトーテミズムですが、様々な至高の天空神への信仰が存在しています。

しかしそれらの天空神に対する信仰が宗教生活を支配している所はあまりありません。

多くの場合、原始的には、天空神への信仰は忘れられ、より具体的で動的で多産な神々が信仰の対象となる傾向にありました。

シュメールの天空神アンは最も重要な神であったはずなのですが、有史時代の初めの時点においてすでに「暇な神」となっていました。

アフリカの至る所で、至高存在者としての天空神が見出されますが、これらの神は、ほとんど礼拝されることがありません。

宗教生活において支配的であるのは祖先崇拝や精霊信仰になってきました。

しかし菅原道真を祀るにあたり、この霊は、天の神、天空神に違いないとされて、天神という別名をもらったわけです。

そうして、日本では天神は守り神として祀られているのです。

同時に学問の神でもあり、雷の神でもあります。