荒神

荒神

荒神とは

荒神(こうじん)とか、荒神様と言われますが、実はこの神は荒ぶる神、悪神の一種なのです。

神は大きく分けて二通りに分けられます。

一つは、温和に福徳を保障する神。

他の一つは、極めて祟りやすく、これの畏敬(いけい)の誠を実現しないと危害や不幸にあうと思われた類の神です。

後者が一般的な意味での荒神です。

この荒神は、本来害悪をなす悪神でしたので、以前はこれを祀ることはなされていませんでした。

仏教の伝来とともに、インドで行われた、例えば夜叉・羅刹などの悪神を祀りこれを以って守護神とする風習が伝わってきました。

そして古典上の荒ぶる神の類を、陰陽師やその流れを汲む祈祷師が、外来教典に基づく神のように説いたことから、荒神という呼び方が普及しました。

すなわちヒンドゥー教での悪神が仏教に帰依した後に守護神・護法善神とされた風習が、日本の風土でも同じくされたのです。

ちょっと不思議なことなのですが、古来からいう荒魂を祀って荒神としたということになります。

この荒神は、各家々を守るとなれば非常に強い神であり、守護神となります。

さらに、その荒神に守護されていることを示すのは、額につけたすみの印とされています。

赤子や子供にその印をつけ、災難除けとしても使われました。