天正時代

天正時代

天正時代

天正(てんしょう)は、日本の元号の一つです。

1573年から1592年までの期間を言っています。

この時代の天皇は正親町天皇、後陽成天皇で、征夷大将軍は足利義昭ですが、征夷大将軍の実施的権力はありませんでした。

安土桃山時代を「天正時代」と呼ぶこともあります。

天正改元のいきさつ

足利義昭を京都から追放した織田信長が、公卿や朝廷を通じて改元させることに成功したと言われ、『お湯殿上日記』にも、信長から改元の奏請があったことが記されています。

しかし、朝廷では改元についての議論が既にその1年以上前から行われていました。

『お湯殿上日記』には改元の発議を知らせる使者が信長と義昭の元に派遣されていることが記されています。

「元亀」改元を奏請したとされている足利義昭はこれに反発して改元にかかる経費の拠出を拒み、『異見十七ヶ条』でも批判の対象とされています。

また、年号勘文はすでに元亀3年11月11日付で作成されています。

なお、改元時に朝廷では信長に勘文を見せてその意向に応じて元号を「天正」と定めており、信長が武家政権の長として改元に口入した事実は織田政権の開始を象徴する出来事でした。

反面、改元の実施日や元号の実質的な選考作業と言える勘文の作成に信長が関与した事実は確認できていません。

あくまでも朝廷の意向を尊重するという形式を取った改元だったのです。