正月飾りと神社のぼり

正月飾りと神社のぼり

正月飾り

藤井神社が一番美しくお化粧するのは正月です。

しめなわも新しくなり門松も作られます。神社のぼりも高々と揚げられます。
正月の飾りつけ


藤井神社では、年の瀬も押し迫ったころ、正月飾りの準備をします。

しめ縄はまだ青味の残っている新稲わらを使って一日がかりで作ります。

藤井神社のしめ縄は、右にねじった3本の束を作り、この3本の束を今度は左にねじりながら撚り合わせて一つのしめ縄にします。

このしめ縄にシデと言われる白い紙を折ったものを取り付け、藤井神社本殿入り口の上部に張り渡します。

ずいぶん重いですし、高い所につれなければなりませんから、なかなか大変な作業になります。

でも、これが完成しますと新年もいよいよ間近だなと実感できます。

藤井神社には天神社もありますので、こちらも同じように正月飾りを施します。

その次は左右にある2つの門松です。

人の背丈よりもはるかに高い門松です。

大きな竹やぶから真っ直ぐで太い竹を切出し、スパッと斜めに切ったものを束ねます。

ここに松やウラ白、南天やハボタンなどを飾り付けますが、完成した門松を動かすことなど到底できませんから、所定の位置に作り上げていくのです。

紫色の幕を張り巡らし、藤井神社と記された大きな提灯を左右に取り付けます。

この写真では見えませんが、奥には神様へのお供えもあります。とても大きな鏡餅もお供えします。

また、この写真には見えませんが藤井神社本殿前の左右には10m以上もある大きな神社のぼりが立てられます。

神社のぼり

神社のぼりと言うのは、藤井神社本殿前面の左右に立てられるとても大きな幟旗です。高さは10m以上あります。

過去何年間も引き継がれてきたのですが、ここに書いてある文字をどう読むのか、どういう意味なのかの伝承が途絶え、文字の意味が分からなくなっていました。

文字としては、縦書きに、「藤井神社大廣前」、となっていることに間違いはありません。

「ふじいじんじゃ だいこうぜん」か、

「ふじいじんじゃ おおひろまえ」

のどちらかの読み方だと思われます。

「藤井神社」は当然ですが、「大」は、強調語で、「廣前」が主体の言葉です。

「廣」の字は現在は「広」と書きますので「廣前」は現在の字では「広前」となります。

大辞泉をみてみますと、「広前」は「ひろまえ」と読み、その意味は、「神の前を敬って言う言葉」、「神の御前」と記してあります。

すなわち、発音はどうであれ、「ここは藤井神社の神様の御前である」と告げているわけです。

さらに察するに、神様の御前であるから、心を正してお入りなさい、とまで言っておられるように思われます。

また、別の見方として、「ここは藤井神社の前庭である」との解釈も成り立たないこともありませんが、私は前述の意味の方が正しいのではないかと思います。
神社のぼり